始めに
2022年11月3~4日に大宮公園の舟遊池(しゅうゆういけ)の水辺再生、水質改善・保全を目的とした「大宮公園大掻掘まつり(以下「かいぼり祭り」)」が行われたので、その様子をまとめました。
各種公式サイト
大宮公園舟遊池かいぼり – 埼玉県 (saitama.lg.jp)
大宮公園大掻掘まつり|大宮かいぼり (mit-omiya-gp.com)
かいぼりって何?
かいぼりとは元々、農業用のため池の維持管理のために冬場の農閑期に水を抜いて天日干しすることをいいます。
その主な目的は「池の整備」と「生態系の改善」です。
まずは魚を捕獲しやすいように池の水をギリギリまで抜きます。
池の規模にもよりますが、1ヶ月以上かかります。

カメやザリガニはこの段階で逃げてしまいます。
つまり、かいぼりで捕まるのは危機感のない方々。
水位が低くなったところで魚を捕獲。
なるべく魚へのダメージを減らしたいので網を使用します。
日本に古くからいる在来種と、人間が持ち込んだ本来いないはずの外来種を仕分けます。
在来種は後に戻すので別の池で保護し、外来種は基本的に駆除します。



「外来種は駆除」とありますが、天敵がいないので生態系に悪影響があるのでやむなく駆除しています。
これは外来種が悪いのではなく、持ち込んだ人間の問題。
池底を干す期間は数ヶ月と長く、その間雨も降ります。湧き水もあります。
できるだけ排水したいので水を自然に流せるように澪筋(排水の道)を掘ります。
この澪筋は池に水を戻しても残るので、次回以降のかいぼりも効率よく行うことができるようになります。


しかし水たまりができることもあるので、それを澪筋で排水していきます。
池や湿地帯は放っておくと泥が溜まり陸地化していってしまうので、これを防ぐために泥の除去を行います。
この泥は栄養を含んでいるので下流へと流し、海の栄養源となります。
単に水深を深くするための除去となると「浚渫(しゅんせつ)工事」という分類になってしまうので重機(水上で使えるショベルカーやクレーンみたいなの)が入り、除去した泥も産業廃棄物扱いになるので費用が莫大にかかってしまいます。
数ヶ月かけて池底を干します。これにより「土中の窒素を空気中に発散」「リンが水に溶け出しにくくなる」という変化が起きます。
つまり水中の余分な養分が減ることで、藻の発生が抑えられ、水質が改善されます。
池の水が無いということは設備保全のチャンス!
水門や堤防等の整備ができるようになります。
改善のいい機会でもあるので、浅場を作って水草群を育て、小魚や水生昆虫の生息しやすい環境を作ります。
池に水を戻すのも数ヶ月かかります。春先は生物の繁殖期でもあるので、それまでに魚も戻していきます。
大宮池守とは?
大宮公園舟遊池の地域ボランティアリーダーが「大宮池守」です。
ただのボランティアではありません。一般参加の地域ボランティアの方々にかいぼりを安全に楽しく参加してもらうとともに、地域の方々にかいぼりがどういったものかを伝えていくための団体です。
妻がボランティア募集のチラシを見つけ、興味があったので応募し、認定NPO法人「生態工房」さんから5日間の研修を受講し、晴れてボランティアリーダー「大宮池守」の一員になりました!
かいぼり祭り当日
大宮池守は約40人いるので「魚屋」「運び屋」「仕分け屋」「お店屋」の4班に分かれ、順番に作業を行いました。
- 魚屋
-
実際に魚取りをするのではなく、一般ボランティアが魚を捕るのを補助するのが目的です。
泥にはまった人の救出も大事な仕事です。 - 運び屋
-
魚とり班が捕まえた魚を仕分け班まで運んだり、仕分け班が仕分けた魚を白鳥池(噴水池)まで運びます。
泥の中を行ったり来たり…通行人にも気を付けなくてはいけません。 - 仕分け屋
-
捕まえた魚を種類別に分け、生息数を数えます。
瞬時に見分けるのがとても大変。
外来生物は死んでいてもカウントします。 - お店屋
-
かいぼり祭りのお客さんに「かいぼりとは何なのか」「どういった生物がいるのか」といった広報活動を行います。
開会式で前に出て話をしているので、TV出演したことになります。
11/3(木・祝) 1日目
この日は文化の日で一般ボランティアの他にかいぼり祭りのお客さんも多く、会場設営から片付けまでずっと賑わっていました。
準備と開会式




大宮シティロータリークラブさんの寄贈なのかな?
午前「お店屋」
大事な開会式に参加しました。私はお店屋だったので前に出て注意事項の説明をしたので、各メディアにひっぱりだことも言えますね~。


午後「魚屋・運び屋」
午後は一般ボランティアがいないので、魚屋と運び屋は合同で魚とりを行いました。
澪筋(みおすじ)掘りと呼ばれる排水を良くする道を掘る仕事があったので私はそっちに行き、ひたすら泥を掻く…と思いきや一般ボランティアのいた場所とは違い、めちゃくちゃ泥はまりして対して役に立っていません…。
振り返り
祝日のお店屋班は非常に盛況でちょっとした列が出来るくらいでした。
約10年前のかいぼりの事を覚えている方も多く、昔話に花を咲かせているのが微笑ましかったです。
(5年くらいしか住んでいないのでよく知らない。)
澪筋掘りでは一見、水の多いところは歩き辛そうなので敬遠していましたが、水のないところの方が泥が締まっていて足を取られることが分かりました。
また、泥の深さは少しズレただけでも違うので、周りの人を観察したり、情報を共有することも重要。
片付けで気付いたのが排水溝の詰まり。
魚は一回泥を落とすのですが、その流した泥や落ち葉が即目詰まりします。
そこをきれいにしたり、目詰まりしない工夫が必要と感じました。
帰りに少し休んでいたらあっという間に1時間が経過し、足バンドの重要性を教わったので購入して帰宅。
11/4(金) 2日目
2日目は平日なので大宮池守や一般ボランティアが若干減り、かいぼり祭りのお客さんはグッと減りました。
午前「運び屋」
かいぼり祭りに一番参加している感のある「一般ボランティアと池に入る」がメインのお仕事。
一部深いところがあるので誘導したり子どもをスレー(ソリみたいな舟)に乗せて運んだり…。
もちろん捕獲した魚を岸まで運んで陸上班に引き渡すのも大事な仕事。
TV取材も入っていたのでリポーターの周りをウロチョロし、ガッツリ映り込んでいるはず。




午後「仕分け屋」
大事な大事な記録係こと仕分け屋…なのですが、最終日の午後も一般ボランティアはいないし、片付けもあるので多くは捕獲できません。
午前中の残りの処理と新たに来た大型の魚のみカウントしました。(小魚や小エビは数が多すぎて処理できないので途中で止めたそうです。)
振り返り
運び屋は体力をだいぶ使いますが、一般ボランティアの方々と楽しく魚取りできたのが一番大きかったです。
中には見えない泥の中を怖がる子もいましたが、徐々に慣れてバンバン捕獲していくのが圧巻…!
仕分け屋は大したことしてませんが、やはり種類の見極め方が非常に大変。
同じ魚でも成長すると模様が現れたり消えたりする種類もいるし、個体差もあるのが…。
もうこれは勉強&慣れの典型ですね。
おまけ
出展ブースに「バーアルテミジア」というバーが来ていました。
ビールや地酒くらいならよく来ますが、バーってすごく珍しい。
1日目の終わりに飲もうと思ってたのですが、撤収に間に合わなかったので2日目の昼にお邪魔させていただきました。



つまり仕分け屋は酔っ払い参戦。
実はお酒好きで別ブログにまとめているので、よかったら見て下さい。


まとめ
2日間とも晴天に恵まれて大盛況で、水温も高かったので一般ボランティアの方々も泥だらけになりながら楽しんでいました。
印象的だったのは子どもは生き物に夢中になり、年配の方は昔話に花を咲かせ…かいぼりに老若男女問わず興味を持っていただけるとともに世代を超えた自然な交流が生まれていたことですね。
この後、3月まで干し上げ、5月には元の状態に戻る予定です。
たくさんの人や生き物が交流できる場所になると良いですね!
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